Auricularia auricula-judae (Bull.) Quél. キクラゲ

オーリキュラ・アウリキュラ・ジュダエ(Auricularia auricula-judae (Bull.) Chel.)の子実体(子嚢)。

主成分
多糖類:酸性タイプ(主にマンノース、グルコース、グルクロン酸、キシロースから成る)、1,3 ß-D-グルカン。
その他:フェノールオキシダーゼ、フェノール化合物、ビタミンB1、D、食物繊維。
栄養面では、キノコ100gあたり、タンパク質10.6g、カルシウム357mg、リン201mg、鉄185mgを含む。

薬理作用
キノコ本体から単離されたβ-グルカンは、ラットに移植した肉腫180に対して有意な抗腫瘍活性を示した。遺伝子組換えラットにおいて、このキノコから得られた水溶性多糖類を食餌として摂取させたところ、血中インスリン濃度、尿中グルコースおよび摂餌量の減少を伴う血糖降下作用が認められた。酸性多糖体はin vitroで抗凝固作用および血小板凝集抑制作用を示した。

子実体および菌糸体のメタノール抽出物は、フリーラジカルDPPH(1,1-diphenyl-2-picrylhydrazyl)に対する抗酸化活性を示したが、これはフェノール化合物の存在と酵素SOD(superoxide dismutase)の増加に関連していると考えられる。この抗酸化活性は、通常の新鮮なキノコを摂取する条件下でも維持されるであろう。多糖類を老齢ラットに40日間与えたところ、心臓収縮機能の改善が観察されたが、これも抗酸化活性に関係している。最後に、このキノコから得られた精製多糖類は、カラギーナン足底水腫のラットモデルにおいても抗炎症作用を示した。

効能/推奨
伝統的用途:経口では黄疸に、外用では結膜炎(湿布)や冷え症に用いられる。東洋料理で珍重される食用キノコである。主に生でスープやサラダにして食べる。

使用方法
内服。粉末:1日6~10g。

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